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Interspeech2013

2013年8月25~29日にフランスのリヨンにてInterspeech2013が開催されました.
InterspeechはISCA(Inter Speech Communication Association)が開催する音声や言語に関する大規模な国際会議で,今回が14回目の開催となります.本会議では,1450にもおよぶ原稿が投稿され,口頭・ポスター発表を合わせて80ものセッションが組まれました.また,懇親会やISCAの25th Anniversary,学生を対象とした食事会,論文賞の授与式など様々なイベントも行われ,非常に活気のある会議となりました.
写真1: Interspeech2013の会場

この会議に,NTTメディアインテリジェンス研究所 研究員の井本桂右さん,北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 博士後期過程の金井康昭さんが参加され,体験記を寄稿してくださいました.
今回は,社会人の方と学生の方の視点からの国際会議の違いなどについても注目していただければと思います.

写真2: オープニングセレモニーの様子

・井本
今回発表した内容は,環境音からユーザの行動を推定するという内容で,多くの人にとって馴染みのない分野であった上に,「Spoken Machine Translation and Speech Natural Language Processing」という,自身の研究トピックと大きく異なるセッションに割り当てられたため,発表前から説明に苦労することは目に見えていました.

そこで,今回の発表では,あえてポスターの情報量を減らし,手持ちの資料に詳細な内容を記述(こちらは比較的文字多め)することで,説明しやすく,相手も理解しやすく,気持ちも楽にすることを心掛けました.

国際会議に参加するには,もちろん英語力の向上は必要となります.しかしながら,一朝一夕でという訳にはいかないのも事実.国際会議への参加が決まって発表資料を作成する場合には,「今ある英語力の中で,いかに充実した議論を行うか」ということを考えてみるのも必要かも知れません.

また,国際会議と言えば,普段知り合う機会があまりない,海外の著名な研究者や同世代の若手研究者と議論ができる数少ないチャンスです.流暢に英語を話す事ができなければ話し掛けても議論がままならないのでは?と考えがちですが,国際会議の参加者のほとんどは英語を母国語としない人なのです.私の経験では,ほとんどの研究者は,こちらの伝えたい事を理解しようと努力をしてくれます.ゆっくりと落ち着いて話をすればきっと良い議論ができると思いますよ.
このように言っている私も実は英語が大の苦手ですが,写真3にもあるようにInterspeechのサテライトワークショップ(SLAM)では,初めて知り合った同世代の研究者とたくさん議論し,今でも定期的に連絡を取っています.

写真3: サテライトワークショップ(SLAM2013)での懇親会の様子

-----  アンケート -----
Q1. どのような服装で会議に参加しましたか?
カジュアル (上:カッターシャツ,下:綿パン)

Q2. どのような服装で発表しましたか?
カジュアル (上:カッターシャツ,下:綿パン)

Q3. 発表形式は?
ポスター

・金井
Interspeech では多岐にわたる音声研究が扱わ れており,音声認識や音声生成,音声分析,言語,個人性など様々なセッションがありました.今回,私は音声区間検出のポスターセッション で発表しました.国際会議での初めての発表であったため,聴講者の質問の意図が理解しづらかったり,こちらの意図を正確に伝えられるよう な英語が思い浮かばず歯がゆい思いをしたりしました.そのため,最初は委縮していましたが,2時間に及ぶセッションの最後には,自から積極的に説明・議論を行えるようにな りました.

写真4: ポスター会場の様子

開催地となったフランスのリヨンは,日本に比べ気温・湿度ともに低く,気候的に非常に快適に過ごすことができました.また,交通網が非常に整っており,メトロやバス,トラムなどが,日中は10~15分おきに1本くらいのペースで運用されており,市内での移動が非常に快適でした.

次回のInterspeech はシンガポールで行われます.共用語が英語の学会ですし,査読もあるため(今年の採択率は約52%)なかなか大変ですが,参加できれば世界の最先端の研究に触れることができ,自身の視野を広げたり,研究者としての実力を大きく伸ばすことができるはずです.案ずるより産むが易しとも言います.皆様も機会があればぜひ参加してみてください.
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