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2014/03/27

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日本音響学会 学生・若手フォーラム
       メールマガジン 第14号


        2014年3月27日 発行

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◆ASJ研究発表会参加報告
◆編集後記


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 ASJ研究発表会参加報告
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 こんにちは,日本音響学会 学生・若手フォーラム幹事会です。本号のメ
ルマガでは,ASJ研究発表終了直後ということもありまして,幹事会のメン
バーに,おもしろかった発表などを聞いてみました。皆さんは,どの分野
のセッションに行き,どんな発表に行きましたか。こんな発表もあったぞ!
一番興味深かったのはコレだ!! というのがありましたら,ぜひ幹事会に
お知らせください。メルマガで紹介させていただきます。

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【音声A】福森 隆寛(立命館大学)

 私は,雑音・残響環境下における音声認識性能の改善の研究を行っていま
す。特に面白いなと思ったのはこの研究です。

3-4-1 組込型音声認識システムのためのHaar-Wavelet変換を用いた音声認識
特徴量抽出法の高精度化
☆松井清彰, 千葉祐弥, 能勢隆, 伊藤彰則(東北大)

 音声認識に用いられるMFCCに代わる新しい特徴量抽出法に関する研究で,
 従来よりも高速に特徴量を抽出できる上に,本手法の高精度化を図ったこ
 とで音声認識性能も改善したことを示していました。スタンドアローン型
 音声認識システムの飛躍的な発展の可能性を感じる魅力的な発表でした。
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【聴覚】石井要次(千葉工大)

 私の専門は,ヒトの聴覚のメカニズムです。今回のASJでは,この発表が
面白いと思いました。

2-3-2 一対比較法,タッピング法を用いた聴覚的顕著性の心理学的評価
◎木谷 俊介,△Liao Hsin-I,△米家 惇,柏野 牧夫,古川 茂人(NTT CS 研)

 自然と拍を刻む行動(タップ)に着目されたアイデアが非常に面白く思い
 ました。緻密な工夫がされた聴感実験を行っており,実験条件の設定に関
 して多くのことを勉強させて頂きました。また,顕著性だけではなく,
 「不快さ」や「好み」などのヒトの高次の感覚についても分析されており,
 非常に興味深い内容でした。今後のご研究の進展に期待しております。
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【電気音響】北村大地 (奈良先端大)

 私は音響信号分離や雑音抑圧に興味があり,音響学会ではいつも電気音響
のセッションを主に中心に聴講しております。私が特に興味を持った発表を
紹介します。

3-2-5 雑音下での音声認識率向上を目的としたマイクロホンアレイの実装
○丹羽 健太(NTT メディアインテリジェンス研),日岡 祐輔(カンタベリー大),
小林 和則,鎌土 記良(NTT メディアインテリジェンス研)

 通常,音響信号分離や雑音抑圧では,マイクロホンアレイを用いた手法が
 非常に一般的ですが,この発表では,音源の到来方向と定常・非定常性を
 手がかりとしてポストフィルタのゲインを推定しており,大変興味深い内
 容でした。また,最後のドライブデートを模擬した(2話者,カーステレオ,
 背景雑音が存在)分離のデモで,実際にどの程度分離できるかを確認でき
 ました。その他にも大変参考になる発表がたくさんありました。研究発表
 会では一度にたくさんの研究の最新動向を知ることができるので,とても
 有意義ですね。
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【電気音響・音楽音響】伊藤信貴(NTT)

 私は主に,電気音響,音楽音響,音声A・Bを中心に聴講しています。特に
興味深かった発表を2件あげさせていただきます。

3-5-7 調波時間因子分解に基づく音楽事前情報付き多重音解析(音楽音響)
☆四方 紘太郎(東大・工), 高宗 典玄, 中村 友彦(東大院・情報理工),
亀岡 弘和(東大院・情報理工/NTT CS 研)

 多重音解析のための音楽信号の精緻な生成モデルの提案です。従来のモデ
 ル化手法である調波時間構造化クラスタリング(HTC)[亀岡 ら,2007]を発展
 させ,ビブラートを扱えるようにするとともに,分析精度向上のために調
 の事前情報を利用できるようにしています。ビブラートは,HTCモデルの
 音響オブジェクトの基本周波数の時間変化を許すことにより,扱えるよう
 になっているようです。調の事前情報を利用するために,まず,HTCモデ
 ルの音響オブジェクトの継続長が有限であるという制約を外します。これ
 により,音響オブジェクトは単音でなく音階を表すようになります。そこ
 で,調の事前情報を音響オブジェクトのアクティベーションの事前分布と
 して導入することにより,調に対応しない音階を抑制しています。

3-2-2 音の発信を利用したキャリブレーションに基づくアドホックマイクロ
ホンアレイによる音源定位(電気音響)
☆柴田 一暁(東大院・情報理工), 小野 順貴(NII/総研大),
亀岡 弘和(東大院・情報理工)

 分散マイクロホンアレイにおいて,各デバイスが発信する既知の信号の到
 来時間を用いることで,キャリブレーションの高速化・応用範囲拡大を実
 現する研究です。分散マイクロホンアレイとは,複数の独立の録音機器
 (スマートフォンなど)をマイクロホンアレイとして用いる枠組みです。
 ただし,機器間の録音開始時間・サンプリング周波数のずれが存在し,機
 器間の距離が未知であるため,これらを推定するキャリブレーションが必
 要となります。従来のパッシブなキャリブレーション法では,反復推定を
 必要とするのに加え,マイク・音源が一定数以上ないと適用できなかった
 のに対し,提案法では,閉形式での高速な計算が可能になっていて,音源
 数・マイク数の制約も必要なくなっています。
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【音楽音響】北原鉄朗(日大)

 今回は別の学会と日程がカブってたのですが,すべての発表を聴くことは
できなかったのですが,特に楽しみにしてたのがこの発表でした。

3-5-1 (招待講演)音楽情報検索の現状および音楽産業への展開について
○帆足 啓一郎(KDDI 研究所)
3-5-2 (招待講演)歌声分析のエンターテイメント応用:音楽検索からカラオケ
まで
○伊藤 彰則(東北大学)

 前者では,企業の研究所でシーズ先行で研究開発してもなかなかサービス
 インできないということを赤裸々に語っていて,そのような世界に身を置
 いたことのない者として大変勉強になりました。後者では,ハミング検索
 やカラオケ採点などの研究について幅広く紹介していました。特にカラオ
 ケ採点に関しては企業が大量の特許を出しており,そのサーベイは圧巻で
 した。私自身,カラオケ採点に関連した研究をしたいと思ったことがあり,
 論文を探してもなかなか見つからない経験をしたことから,産業応用に近
 い分野は,論文だけでなく特許もサーベイしないといけないことを実感し
 ました。
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【超音波】 和田有司(成蹊大)

 私は,主に超音波や非線形音響の研究を行っています。特に興味を持った
発表を2件紹介させていただきます。

1-7-18 球状ステータを用いた多自由度超音波モータの基礎的検討
青柳 学,☆中島 秀太(室蘭工大),田村 英樹,高野 剛浩(東北工大)

 従来の多自由度超音波モーターといえばリングなどガワを振動させて金属
 球を回転させるものが主ですが,球の方を振動させて超音波モーターをつ
 くる発想の転換が興味深かったです。

3-P5-10 音響振動による植物の作物吸水ニーズの推定に関する研究
    -レーザ変位計を用いた長期間連続計測に関する検討-
○中川 裕,杉本 恒美,佐野 元昭,白川 貴志,△杉原 敏昭,
△山ギシ 香(桐蔭横浜大学院),△大幅 元吉,△澁澤 栄(東京農工大学)

 パラメトリック音源の0-50Hzスイープ波で小松菜の葉を振動し,固有振動
 数を測定することで水分量を予測するという発表でした。超音波の農業応
 用の発表は音響学会では貴重であり,萎れる前に急激に固有振動数が下が
 るなど結果自体も興味深いものでした。
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 いかがでしたでしょうか。この紹介を読んで興味を持った発表があれば,
ぜひ予稿を読んでみてください。もしも予稿を読んで,より細かいことを知
りたくなったら,ぜひ著者に直接連絡を取ってみましょう。ASJの研究発表
会は多数の会場に分かれてパラレルで進行していますので,すべての発表を
聴くことはできません。なので,「別のセッションに行っていて発表を見る
ことができなかったのですが,質問させていただいてもよろしいでしょうか」
と素直に言えば,丁寧に対応してくれると思いますよ。


【番外編】
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・ウェルカムコンサート

 初日の夜には「ボーカロイドvs.ベルカント」と名づけたウェルカムコン
サートがありました。ベルカントというのはオペラ歌唱の一種だそうです
(間違ってたらゴメンなさい)。まず,渡辺ローザさんがオペラ歌唱を行い,
その後,ボーカロイドによるパフォーマンスがありました。網戸用の網にプ
ロジェクタでボーカロイドを映すのですが,予想外に綺麗に映っていてビッ
クリしました。「ボーカロイドvs.ベルカント」なので,てっきり1つの曲を
「共演」するのかと思っていたのですが,冷静に考えたらそんなわけないで
すよね。理工学部のホールだったからか,ポップスやロックのプロアーティ
ストによるライブに比べると音響的な迫力が少なかったのが少し気になりま
した。もっと本格的なライブ環境で聴いてみたかったですね。

北原 鉄朗(日大)
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・選奨参加報告

 学会に参加する度に学生同士の繋がりや顔見知りの先生方が増えていくの
で,回を重ねるごとに選奨が楽しくなってきました。特に今回は親しい人や
存じ上げている方が多かったので,これまで以上に幸せな気持ちになれまし
た。「自分ももっと頑張ろう」とやる気ももらえるので,時間的には短いで
すが学会の中でも外せないイベントです。これまで参加してこなかった方も,
今後はぜひ参加してみてください。

矢田部 浩平(早稲田大)
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・懇親会

 普段接することのない方,なかなか全国大会以外で会えない方と会話する
機会が得られるため,毎回参加するようにし始めて6~7回になります。毎回
現地の先生方が趣向を凝らし,美味しいお酒や催物,ご当地の料理などを用
意されているので,とても楽しいものになっています。催物は神楽や太鼓な
ど多様になっており,今回はセクシーなダンスで盛り上がっていました (ダ
ンスを見ている先生方を見るのが楽しかったのは内緒です)。最近は若手の
参加者が徐々に増えてきている気がしますし,私も学生の間は非常にお世話
になりましたが,先着20名程度で学生料金もあります。皆さんも参加してみ
てはいかがでしょう。

森川 大輔(北陸先端大)
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・学生・若手フォーラム懇親会

 毎回恒例の学生・若手フォーラム懇親会を音響学会1日目の夜に行いまし
た。今回も,フォーラムメンバー以外にも学生や若手の方が来てくれました。
大学・企業,そして各音響分野の専門家が集まると話題が尽きず,非常に楽
しい時間が過ごせ,刺激を受けることもできます。知り合いを増やす良い機
会にもなりますので,次回北海道では,若手研究者の皆さんも是非ご参加頂
けると嬉しいです。学会中は各セッションに,フォーラムメンバーが大体お
りますので,気軽にお声掛けください。

増村 亮(NTT)
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          編 集 後 記
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 先日は,ASJ研究発表会へのご参加・ご発表,お疲れ様でした。日大での
研究発表会ということで,私も実行委員になっていたのですが,そもそも
私が普段いるキャンパスとは別のキャンパスで全く勝手が分からず,ほと
んど実行委員として活躍することができませんでした。実行委員長の伊藤
先生をはじめ,日大の理工学部の先生にはお世話になりました。あと10日
もすれば新年度がやってきます。卒業される方は新しい環境での生活が待
っています。今の所属に引き続きいらっしゃる方も,新しい人が入学・入
社・配属されて新しい風が吹くことでしょう。新年度が始まってよりワク
ワクしながら研究や仕事ができることを祈って,数少ない今年度の生活を
頑張りましょう。(北原)

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http://www.asj-fresh.sp.m.is.nagoya-u.ac.jp/
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